hyomon.com

マムについて
06/05/2013 14:59:00
菊と聞いてまず脳内に浮かんでくるイメージは、なんと言ったらいいんでしょうか、真上から眺めれば見事な円を描きながら、360度それぞれに顔を向けた群衆のごとき葉っぱが一枚一枚たがいに干渉していない状態のまま、アイロンでブローをかけた髪型さながらふわりふわりと絶妙かつ綺麗なうねりを見せ、しかし絶えずこんもりし、ひとまとまりに可憐な色とりどりのドームを形成する、おそらくそんなところでしょうか。

 外来の品種もその例にもれず、半球状をなしています。「ピンポンマム」と名づけられたものさえあるように、半球を通りすぎてほぼ完全な球に等しいものも存在します。


 現在、店先に活けているのは拳大もあろうかという、薄紅色の可愛らしいマムでございます。いつもよりすこし大き目の、こちらは2リットルのペットボトルをもとにした再器が、ずっしりとした貫禄とその安定感を十二分に発揮しております。吊るした再器にはピンポンマムもご覧になれますので、近くへお越しの際は是非どうぞ。


池田 ----- --
平文Twitter開設のお知らせ
06/05/2013 15:34:00
平文ではホームページをはじめ、本ブログやFacebook上で本金箔アートに関するあれこれを掲載しておりましたが、このたびはその一環として、Twitterアカウント @hyomon_kyoto を開設いたしました!

 まだまだ試行錯誤の段階で苦戦していますが、本金箔アートの世界について幅広く、そしてなにより簡単に知っていただくことを念頭に置いて、情報発信に努めてまいります。ご愛顧のほど、そしてフォローをよろしくお願いいたします。

池田
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梅雨時に、金を蒔く。
06/19/2013 16:34:00

 もう今年は梅雨は来ないんじゃないの? などと高をくくって、湿度のすこぶる高い曇天のなか自転車で出勤すると、平文に着いた途端にぱらぱらと小雨が降り出し、午後に入るとかなり強い雨脚となって、帰りがいささか心配な、アルバイトの池田です。

 そんな今日一日は、オーナーに手ほどきを受けつつ、蒔絵技法の講習会となりました。
 

 蒔絵とは辞書的な定義に準じると、おおよそ「接着剤ともなる漆をつかって文様を描いたあと、金や銀の粉を蒔きつける日本古来の表現技法」といったところになるでしょうか。《再器》をはじめとして、平文で扱う作品にも多用されている技法です。

 本日は金箔を蒔くオーソドックスな技法と、「金泥」といって、いわば金粉のペーストを筆で塗布する方法の、主に二種類を実践いたしました。いずれの方法においても今回は接着剤兼定着剤として、クリアラッカーをつかっています。

 練習を繰り返したあと、一日の成果の集大成(!)として、黒無地の《再器》に模様を施しました。恥ずかしながらその作品をここに披露いたします。






題名は、そうですねえ、《百目の涙、あるいはクラゲ》といった感じのものを思い浮かべつつ作業の工程を進めました。
目から流れる涙、くらげから海、といったように水にまつわる題材を選ぶことで、季節柄、梅雨の湿度をさらに盛り上げそうなくらいですね。
そんなふうにイメージを無理やりこじつけつつ、本日の講習で蒔絵のほんの初歩の初歩は、なんとかぼんやり掴むことができた気がします。


池田


梅雨時に、金を貼る。
06/26/2013 16:24:00
あいにく今週も水曜日は雨でした。なぜだか出勤するたび雨に見舞われる気もする、アルバイトの池田です。

先週は蒔絵についてちょっとした記事をお目にかけましたが、今週はこちらもまた伝統的な、截金(きりがね)の技法をご紹介します。
截金とは、金をはじめとした箔を切り出し、貼りつけることで文様を表現する技法です。
細く、くっきりと映える線にはエッジがきき、素材の金属らしい質感を引き立てます。
ここ京都の伝統産業のひとつにも指定され、仏具にも多用されるようです。

本日もオーナーの指導のもと、一から学びました。
yuh本来は金箔を筆にとって、膠や海藻(!)で接着するのですが、今回は初心者だということで、着色されたアルミの転写箔を用い、その固定にはクリアラッカーを使用しています。


先週ご紹介した、名前を呼ぶのも恥ずかしい《百目の涙、あるいはクラゲ》をキャンバスとしています。綺麗な筋となって流れている部分が截金にあたります。蒔絵の箇所とは、ほとんど異なった印象が出たかと思います。


ぼんやりしていた全体像も、截金の部分がうまくアクセントとなって引き締まったようです。なんだかクラゲ感が三割増し、というところでしょうか。

池田
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ネイルについて
07/10/2013 16:11:00
先日、講習の模様をお伝えした伝統技法、截金(きりがね)。
レクチャーの成果として、私がくどいほどに模様を施した再器をご紹介したのは記憶に新しいところですが、
そんなことはさておき、オーナー・奥村の作品の数々にも、この技法は多用されております。
今回はその一部として、ネイルのご紹介をば。



 艶のある黒い下地が、截金を施した箇所の、エッジがきいた直線を格段に引き立て、それらの対比が非常に美しいです。
なんだか漆器をも思わせる趣があります。


 貼り付けるというその作業の性質上、截金には特殊な、少し厚めの箔を使うわけですが、奥村の作品にはもちろん本金箔を用いております。

 こちらの作品には朱を取り入れております。




本金箔の光沢は、視線の角度によっていかようにも変化してみせてくれます。
小刻みに自在に動き、それ自体にも表情を持つ部位、すなわち手のなかでも指先という最も目につきやすいところの、一風変わったアクセントになりそうです。シンプルですが、しかし雄弁です

本日はネイルのミニ講習とあいなったわけですが、最後に拙作をひっそりと載せておきます。



どこかの国旗のような色づかいになってしまいました。和の味わいとは程遠い…。箔の部分には、鈍い銀色のアルミ箔を使っております。

 ちなみに、ご自身でネイルをなさる方に向けて、平文では専用の本金箔もご用意しております。

池田---- --------
「金継ぎ」と再器
07/17/2013 15:26:00
祇園祭も今日、いよいよ山鉾巡行ですね。
ところどころ晴れ間はのぞいているものの、どんよりした雲も空にたちこめていて、天気がちょっと心配でしたが、なんとか持ちこたえているようで一安心です。

 本日は久々に新作の《再器》をご紹介します。


 半光沢の黒い下地に、深みのある緑系の色味がゆるやかなグラデーションを持ちながら加わっております 。
緑青を思わせる感じもします。
表面はには上から下から斜めから、多方向より光があたり、熱加工によって生まれた凹凸をいっそう際立たせています。
色調、形状ともにマーブル模様といった印象を与えます。
曲線で金をあしらった部分は、奥村いわく「金継ぎ」をイメージしているのだとか。


金継ぎは、陶器の欠けたり割れたりした部分を漆で接着し、継ぎ目に金などを入れる、伝統ある修繕方法です。
《再器》はペットボトルを素材としていますから、その丈夫さがあって落としても欠けたり割れたりすることはまずありません。
よって、「継ぐ」こととは無縁でありそうですが、この力強い金のうねりが、わりあい渋めの全体的な印象のなか、煌びやかなアクセントとなっているといえるでしょう。

池田
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マイ・ステッキ
07/24/2013 14:50:00

こちらの杖、遠目に見ると何の変哲もないありふれた杖ですが、近づいて眺めてみますと…


 握りに流麗な金の筋が伸びているではありませんか!

 今日はごく最近、奥村が試作したというこの杖をご紹介いたしましょう。

 もともと、奥村の御父上が晩年にたくさん残された市販の杖を、なんとか再生できないだろうかと考えたのが、このマイ杖づくりの出発点だといいます。
杖ではいちばん要だという握りの部分には奥村が得意とする技法がふんだんにちりばめられ、従来の金属製の柄はそのままに、すこぶる丈夫な構造となっております。

まず、木製の下地に黒をあしらい、さらにエポキシ樹脂を乗せて表面を処理。もはや当ブログではお馴染みとなったであろう「截金」(きりがね)の技法により、しゃっきりした金の線を走らせるのです。


握りのまえとうしろには《本金箔アート石鹸》製作の際に出た箔の端材を有効活用いたしまして、アクセントとなるような紋様を。最終加工として全体をUV硬化樹脂で覆って、泥なんかで汚れてしまう事態があったとしても十分に耐えうるようになっています。


↑《本金箔アート石鹸》。
シルクスクリーンの原理を応用し、自由自在に文様を表現できます。

 最後、奥村にモデルを務めていただいて、使用の様子を掲げておきます。



たとえばお年寄りがますます増え、コンビニなんかもターゲットを若者から高齢者に移しているなんていう話を耳にしたりします。
そんな時勢、お好きな柄をあしらって、自分だけの杖を作ってみるのはどうでしょうか。少しよそ行きみたいな心持ちで気分も新たにマイステッキをお供にして、歩くこと自体が無上の愉しみとなれば、とても素敵だなと思います。

池田
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コースターのご紹介
07/31/2013 15:10:00
本日は平文でも目立つ場所にディスプレイしております、《箔をつかったコースター》をご紹介いたしましょう。
ネット上ではペットボトルを再生した《PETアート》や装飾品をご紹介することが多いので変わり種として目に映るかもしれませんが、このコースターにも奥村が得意とするところの本金箔をつかった表現技法が遺憾なく発揮されております。


 
 
 表面はあまたの曲線が、何層にも重なって構成されています。実はこの曲線の一本一本は、和紙でできているのです。和紙を糸状に、ごく細く裁断したものをこんもりと絡み合わせ、何度かプレスをかけてこの薄さにするという工程を経ております。


↑ そうしてできあがったものの両面に箔を載せ、仕上がりです。
現在、本金箔のもの、プラチナ箔のものの二種類をご用意しております。
(画像1枚目が本金箔を、2枚目がプラチナ箔をつかっております)。


↑ 使わないときには、写真奥の木箱に仕舞って。贈り物にもふさわしいことでしょう。

 繊維を樹脂で固めた不織布や、そうですね、たたみいわしの構造を想像いただくと、イメージもたやすいかもしれません。鈍い輝きは派手すぎず、ところどころの隙間が涼しげでもあります。すこし炙ったたたみいわしをお供とし、グラスの冷酒を一杯。夏の宵のちょっとした暑気払いの卓に、このコースターを用いてみるのも一興だと思います。

池田 ----- --------

黄衣
08/03/2013 ?ブログサーバーに
ギャラリー2階での写真


帯をタペストリーとして
08/07/2013 15:01:00
帯をタペストリーとしたものをつい先日、ツイッター上でご紹介しましたが、今日は意匠の異なったものをお披露目いたしましょう。


 この酷暑のなかですから、視覚をとおして涼を感じられるチョイスとなりました。

 青海波の文様と、おめでたい市松模様を、そして清涼感あふれるごく淡い青緑の色無地をあわせた下地に、金糸で織られた錦鯉が貫禄もじゅうぶんに躍っています。


 このように階段に展示してみますと、傾斜をもった清流を遡上する鯉の姿が立ち現われてきます。平面に飾ったときはさながら一面に広がる池のようでまた愉しいですが、やはりこうして段をつけて眺めてみると、演出の不可欠さを思い知らされる次第です。


 静けさあり、躍動感ありで、眺め方によって思いがけない情景が再現されてくるように感じます。角度を変えて見てみようと、階段を何度も昇り降りしました。写真では鯉がからだを精一杯うねった反動で、一時的に水面から飛び出たさまに見えますよね。


 ぱっと跳ね返った水しぶきが、いつの間にか目にありありと浮かんでくるようです。 布のうえの鯉を眺めながら涼をとるのも、実に良いものでした。

池田
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PETアートの誕生秘話
08/21/2013 15:54:00
今日は趣向を変え、《PETアート》の誕生秘話をお披露目しようかと思います。

 ホームページやfacebook、本ブログなどでは、ペットボトルを熱加工した《PETアート》をご紹介することが多いかと思いますが、本来、奥村は陶芸にも心得があります。陶芸においては作品の出来を左右するといっても過言でない、「焼成」の過程が重要です。そのため西賀茂の古刹・正伝寺の境内に、奥村は灯油で稼働する窯を持っています。納得のゆく焼き上がりまで絶えず火加減を調節しなければならないので、いったん窯に火を入れると10時間余りはかかりきりとなり、どうしたって時間を持て余してくるわけです。


↑ 正伝寺の窯の様子。写真では通常よりも火力を強め、煙突部から炎を噴出させています。

 そんなときに物は試しと、窯の煙突から噴き出る熱気に色々なものをさらして変形する様子を眺め、ふとペットボトルを近づけてみたときに思いがけず面白い形に膨らんだり萎んだりしたのだそうです。この作用をつかって、なにか新しいアートの世界を見いだせないか。そのようにして生まれたのが《PETアート》なのだとか。2001年ころのことだといいます。

池田 ----- -------

帯留め―刺繍をあしらって
09/25/2013 15:47:00
久々の更新となりました。
今日は25日、北野天満宮では縁日の立ち並ぶ、いわゆる「天神さん」の日です。
25日という日付は、道真公にとってとても縁の深い数字なのだそうですね。
過ごしやすい気候にもなり、平文の面する通りも、心なしかいつもより人通りの多い様子です。

本日のご紹介は、帯留めをば。螺鈿細工を取り入れたものは本ブログでもかつてご紹介したことがありますが、今回は繊細な刺繍をほどこした帯留めをお披露目しましょう。






日本の四季折々の自然に即したモチーフを選んで、衣替えの風習があり、季節感を表しやすい和装にもアクセントとなるような一品一品です。柔らかい線で素朴に描かれており、それら自然のひとこまを縁取るのは、平文ならではの本金の台座部となります。









和装を普段着とされるかたはもとより、和装に馴染みのない方であっても、眺めるだけでほっとするであろう暖かい風合いの作品ですね。

池田 ----- -------

ご挨拶&名刺について
11/19/2013 15:39:00
ご無沙汰しております。
ブログではお知らせの時期を逸してしまいましたので、事後の報告となってしまったこと、たいへん申し訳ない限りではありますが、
四半世紀ものあいだ皆々様にご愛顧たまわりました上七軒の平文ショールームは、去る10月末日をもって閉店させて頂く運びとなりました。
今後は拠点を西賀茂の工房に移すこととなりますが、本金箔アートを創作、発信してゆく試みはまだまだ続けてゆく所存ですので、スタッフ一同あらためてご挨拶申し上げます。

■ さて、大きな節目を迎えたことですし、このたび名刺の新調をしてみました。
必要な情報を載せることに意識が向きがちで、ついつい無味乾燥な見た目になってしまう名刺。
平文ではここに一工夫し、名前の部分は墨で手書き、その黒地にはアクセントとして本金箔を散らしております。一枚ごとに異なる表情をもった名刺ですね。


牡丹雪をも思わせる、和紙系統の一枚。これからの季節にはなかなかふさわしいのではないでしょうか。
欠かせない住所、電話番号などは読み取りやすさを第一に、インクジェットプリンタにて印字しています。
紙と紙で交わすご挨拶。やはり記憶のどこかに留まるものであってほしいですよね。たとえ、てのひら大の紙ではあれ、貰ってなんだか嬉しい一枚となれば幸いです。
------池田 ----- -------- ----- -------

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